今年の夏も酷暑だ。東京都心の道路を歩くと、熱したフライパンの上かと錯覚する。そんな暑いさなかの2020年8月に東京五輪・パラリンピックが開催される。「オリンピックもビジネス」という大人の事情から最も広告収入が見込めて放映権が高く売れそうな8月開催となったようだ。それで大丈夫なのかと思っていたら、8月31日に国土交通省が路面の暑さ対策を検討するための実証実験を実施した。
実験場となったのは国道246号線で、東京都渋谷区の約250メートルの区間。対象となったのは「遮熱性舗装」と「保水性舗装」の二種類。「遮熱性舗装」は、舗装された路面に赤外線を反射する遮熱材を塗布したり遮熱モルタルを充填し、太陽熱を反射させて道路に熱がこもらないようにする方法。「保水性舗装」は、アスファルト材の隙間に保水剤を詰め込み、降雨などで染みこんだ水の気化熱で路面温度の上昇を抑える方法。いずれの方法でも路面が乾いた状態と濡れた状態を確かめた。
検証には元陸上競技・マラソン選手の瀬古利彦氏や車いす陸上競技選手の花岡伸和氏らも参加し、結果では「遮熱性舗装」に対する評価が高かったという。国土交通省は今回の検証結果をもとに、マラソンコースや会場周辺などの路面の温度対策について検討を進めていくそうだ。
都では都心部のヒートアイランド現象抑止策として、2001年から「保水性舗装」、2008年から「遮熱性舗装」を一部の都道に導入し、2006年度からは渋谷区でも路面舗装改良事業として「遮熱性舗装」を試していた。そうした事業を一歩進めるかたちとなった。
アスファルトの恩恵を享受してきた身としては、あまりエラそうなことは言えないが、ここは何とか道路関係者の皆さんの英知をお借りして涼しくしてもらいたいものです。微力ながら私も狭いベランダで打ち水に励むことにします。
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